| 両生綱 有尾目 イモリ亜目 イモリ科 トウヨウイモリ属 | |
| 和名: | アカハライモリ(ニホンイモリ) |
| 学名: | Cynops pyrrhogaster |
| 体長: | 8〜13cm(メスのほうが少し大きい) |
| 分布: | 本州・四国・九州、日本固有種。 |
| 食性: | 肉食。トビケラ、カゲロウ類、水生昆虫、ユスリカ(アカムシ)、ミミズ、土壌生物。 |
| 形態: | 指の数は前肢が4本、後肢は5本。外鰓を持つ幼生時は水中で過ごし、鰓が無くなり四肢が生えてくると幼体になり陸上で生活。さらに成長して成体になるとまた主に水中で暮らすようになる。 |
両性類の「イモリ」。爬虫類のヤモリと死ぬほど混同される。知ってる人はばかばかしいほど「あたりめぇ」だけど、知らない人は全く知らない事柄の典型。主に生き物について考察があるか否か、動物を「人、猿、犬とかと魚と鳥と虫とそれ以外」等、分類する人は後者。
環境の良い小川や水田、池、沼などに生息し、ご多分に漏れず近年その数は減少の傾向にあり、神奈川県や千葉県などでは 条例によって捕獲が禁止されてるほど(捕まえたら捕まっちゃうよ、キッズたち!)。にもかかわらず、ペット産業ではいまひとつ人気がないのか平気で一匹数百円で売られているというなんとも悲しい種。
体色は黒〜褐色(モスグリーン)だが、腹側は真っ赤っかで、黒い水玉模様が入る。地域、または個体によってこの腹側の模様はかなり異なる。これらは一般に警戒色と呼ばれ、このイモリもあのフグ毒で有名なテトロドトキシン(TXX)を持ち、危険を感じると皮膚から分泌する。だからといって触って死ぬということは無いですが、生息地によってその毒の濃度が違うとかなんとか。まぁ触ったあとに手は洗うのは基本(毒があるから、じゃなくて生き物全般の話)だけど、生で食うのはやめといた方がいいかと思います。
アカハライモリの「種族」は実際に亜種認定はされていないがそれに近いほどの地域個体群に分化しているそう。(ペットショップで買ったりしたどこの地域のものかわからないイモリを勝手ににがしちゃだめだよ、キッズたち!)主に腹の模様のパターンが地域ごとに明確に分かれています。マジで全然違いますよ。写真の子は九州生まれなので「広島種族」というものにわけられるそう。
メスのほうが体は大きく、オスはメスに比べて総排泄口が大きい(膨らんでる感じ)。だけど個体の「肥え」具合によってその大きさの違いがよーわかりません。総排泄口の大きさというか、尾の形で見分けたほうがいいです。オスは尾がさやえんどうみたいな形で、メスは包丁や日本刀のような印象です。上がオス、下がメスです。
繁殖期は4〜7月だが秋にも求愛行動が見られる。また繁殖期には、オスの尾が紫色の婚姻色に変わります。写真は悪いですが、実際は結構きれいです。さらにオスは目の後ろの「耳腺」と呼ばれる部分も発達します。繁殖期になるとオスはメスの前で尾ひれを振って求愛行動をとります。それが成立?するとオスは精子の入った精包を水底に落とし、その後ろをメスが歩いてきて総排泄口でキャッチするという体外受精。すんげぇ。ちなみに秋に受精したものはそのまま産卵を行わずに冬を越し、翌年暖かくなってから産卵するのだそうな。イモリの精子は長持ちですね。
受精の動画が見れます→Yahoo!きっず図鑑 両生類 アカハライモリ
写真と動画、撮りたいなぁ。
メスは受精後、水中の水草などに卵を産みます。同じ両生類のカエルやサンショウウオなどと違い、一つ一つの卵(胚?)がバラバラに産み付けられる形で、直径は3〜5ミリ。卵はそれぞれ寒天状の物質に包まれて、黒と白に塗り分けられた「鈴カステラ」のようになっています。
←うちでもメスが卵を産みました。産卵連続写真です。
イモリは生みつけられた卵を猛烈に食らうので孵化させたい場合は注意しましょう。そのときは水草ごと回収するか卵だけとってもいいです。指でそっとつまむとプリプリっと粘着質のものがはがれる感触があります。卵は弾力があるので、そっとつまむぐらいなら大丈夫です。親の水槽から隔離して個別に飼育します。
水温により2週間から一ヶ月ほどすると卵から幼生が生まれます。幼生はえらを持ち、水中の微生物を食べて大きくなります。ブラインシュリンプ、熱帯魚の稚魚用フード、イトミミズなどで育てます。イモリは生体の飼育は容易ですが幼生の飼育は難しいです。すりつぶした熱帯魚のえさなど人工飼料を食わないことも無いのですが、やはり「小さな動く活餌」が必要で、人工餌を受け付けず、餓死していく個体もいるような気がします。手間もコストもかかりますが、やはりブラインシュリンプが最も現実的でしょうか。やがて成長するとえらが消失して上陸し、幼体になります。以降、イモリは肺呼吸となり、水中にいても呼吸のために水面へ浮かんできてはパクンと空気をのみます。幼体は陸上で生活し、数年で成体になるとまた水棲の傾向が強くなります。幼体は数年(3〜5年?)で成熟し、成体になるといわれています。
イモリは脱皮をして大きくなります。イモリが目を閉じたり、体調が悪いのではないかと思うほど奇妙な静と動を繰り返していたら脱皮の兆候です。脱皮は頭から始まり、水槽内を歩き回り体をいろんなものに擦りつけながら脱いでいきます。イモリは脱皮した皮が大好きでなようで、脱いだ瞬間に食べてしまいますし、むしろ皮を後肢まで脱いできたら、後肢が不自由なまま体をUの字に曲げて食らいつきます。他のイモリの皮を奪い合う事もしばしばあります。
■飼育環境
60cmフラット水槽…ニッソーNS-6MKF(W600 D295 H230mm)
濾過…ニッソーバイオフィルター60
底砂…水中景観砂 山砂(GEX)
フタ…NS-6MKF用ガラスフタを陸場上の片面のみ使用。
その他…流木(陸地用)、ウィローモス、マツモ
(昔の飼育環境はこちら)。一向に進まない魚養殖計画部門から我が「日常サンシャイン」は撤退いたしまして、このらんちゅう水槽が空いたのでイモリ連中を移しました。養殖水槽からヒーターを取り出し、砂利を加えて盛って、流木を安定させてできあがり。結構満足しています。やはりアクアテラは横から見なくちゃねぇ。泳いでる魚は“計画”の残党。水質悪化バロメーター兼活餌として、第2の任務につきました。でも水槽が広いからか、なかなか食われませんねぇ。
(ゴタク。科学的あるいはナントカ的根拠は無いんですけど、もう「水」に関してはエアレーション+通水かなぁと。酸素を送って淀みをなくすことが一番なんじゃないかと思ってます。その環境の上でバクテリア様がつく場所(表面積)を確保するのではないかと。うちので言えば、ずばり敷いた砂利です。もちろんその砂利も通水が悪く酸素が回らなかったら意味無くて。実際、底面に戻ってからは水モノ飼育至上最強に水換えしてないです。
魚以上に糞尿の多いものはベアタンクで換水で対応という方法もありますけど、例えば魚水槽立ち上げ初期の餌の残渣や糞尿よるあっというまの白濁などを考察するに、水の汚れ度のアップダウンがとてもきついんではないでしょうか。結局狭い水槽で生き物を飼うには濾過はマストなわけで、それでもシビアな生き物はより換水が必要と。まぁイモリに限って言えば、魚よりは水の悪化に強いでしょうし、魚はアンモニア垂れ流しなんで、条件はちょっと違いますけど。あとは丈夫に育つ水草をじゃんじゃか入れたら磐石です。
水質の維持にと、砂利を敷くのはあまり意味が無いというか、かえってゴミが沈殿してそこで腐敗して硫黄臭がしてきて魚も死にます。あくまで砂利はバクテリアの立ち場所の面積稼ぎなだけで、そこに通水による酸素の供給をして初めて、自然状態では考えられない水量で生き物を維持できるのではと思います。実際、うちでは換水無しで足し水のみで問題ないですし。)
イモリ飼育においてフタは必須です。彼らはぬれた体でぺたぺたと垂直のガラスをのぼり、脱出してしまいます。イモリは両生類ですから乾燥した部屋に逃げてしまうと絶体絶命です。エアポンプのホース、器具類のコードなどにも注意が必要です。水槽についてるプラスチックあるいはガラス製の蓋は器具設置用の隙間(イモリの脱走に十分)があったり、蒸れてびしょびしょに水滴がつくので私はもちいません。こういう点で一般的にガラス水槽には、適した蓋があまり無いのが実情です。自作できなければ、思い切ってプラケで飼ったほうが便利かもしれません。といいつつも、安定したよい環境を作れば、彼らは水底を徘徊したまに陸地にあがるだけで、余計なことはしなくなるような気がします。居心地がよければ、わざわざ垂直のガラスを登ることなどしないと人間は考えるのですが、詳細は不明です。
■餌
エサは金魚の餌を週に2〜3日、頭の大きさの半分の量をあげています。適当な分量は不明ですが、イモリは水温が適当ならばいくらでも食べますし、エサが無ければ食べないといった感じです。ただ極端に痩せている個体がいないか観察は怠らないようにしてます。見つけた場合はきちんとエサを食べるか確認し、必要があれば隔離して肥やします。まぁ基本的に彼らは丈夫です。
私は粒状の浮上性のタイプを使っています。(イモリの腹を通らないで)無駄に水を汚さないようにエサがバラけたり、沈殿しないうちにイモリに食わせています。他の餌としては小さな虫(コオロギ、ワラジムシは食いました)、冷凍アカムシ、乾燥アカムシ(イトミミズ)、レバー、チーズ、トリのササミなどを与えるようです。動くものに反応するので肉などは口先に持っていって動かす等の方法で食べさせるようですが、どうも餌に対する反応は「嗅い」の方がよい気がします。香ばしく、甘塩っぱい臭いの「金魚の餌」にでも十分反応します。なにより水草に絡まって動かないイモリの卵は目ざとくみつけられ、執拗に口をばくんと開けて食べようとします。*左の画像
余談ですがある個体を導入した当初拒食になっていて、いろいろな餌を試しましたが食べませんでした。途方にくれてちょうど産卵していたイモリの卵を与えたらぱくぱく食べました。ピンセットで乾燥イトミミズを注意深く動かしていた苦労はなんだったんだと思いました。水中で痛まず、毎日たくさん供給される餌(イモリは卵をたくさん産みます)はとても助かりました。
■繁殖・産卵
えーと去年は産卵しました。そして2006年現在、今年は産卵しませんでした。で比較実験(っていうほど大層なもんじゃないですが)により、やはり冬眠あるいは15℃以下くらいの低温期間は必須かと思われます。低温→冬→水温上昇が産卵の鍵だと思います。って、こんなんはもうとっっっくに解き明かされておりますが。とりあえず飼育する余裕が無いので今年は完全に冬を経験させませんでしたが、来年は低温処理をして産卵させれたらなと思います。そこから数匹ぐらい、成体まで育ててみたいです。何年かかることやら。