ウルトラマンと(2007年の)僕
「TUTAYA DISCAS」を使い始めてしばらく経つが、先日ふと思いついて「ウルトラマン」のDVDを借りることにしてみた。セブンでもタロウでもなく、なんだっけ、ガイア・・・、ダイナ・・・、メビウス・・・?とか最近のでもなく、正真正銘「ベムラー」から始まる「ウルトラマン」だ。
ウルトラマンが作られたのは1960年代だから、僕は思いっきりウルトラマン世代ではない。しかし、これは本当にわからないのだけど、僕は幼稚園の頃からウルトラマンを知っていた。そして友達も皆、ウルトラマンとその怪獣の人形をたくさん持っていた。僕はあまりオモチャを買ってもらえない家だったので、持っていたのは「ギャンゴ」ただ一つだった。どういう経緯で「ギャンゴ」を買ってもらったのかもう覚えてないが、本当は「シーボーズ」とか「スカイドン」が欲しかった。あとは、いまやなつかしのカセットテープと本がパックになった、ウルトラマン主題歌集みたいなのも買ってもらった(ちなみに80のOP曲が好きだ)。
テレビでウルトラマンを見た記憶はないのだが、何で知ったか僕らはウルトラマンが好きだった。記憶違いもあるかもしれないし、この辺は興味があるので、今度親にでも聞いてみようと思う。そういえば、半年前ぐらいにマクドナルドで、幼児といえるぐらいの子供がハッピーセットについてくるドラゴンボールのフィギュアを明らかに「欲しがって」いて不思議に思った。彼らはどのようにしてドラゴンボールを好きになったのだろう。
そんな僕のウルトラマンの経験というのは、もっぱらレンタルビデオだった。近所のビデオ屋に連れて行ってもらったときに、初代マン、セブン、タロウ、80は借りて見た記憶があるのだが、おそらく初代マンから80までを網羅した「怪獣図鑑」による補完が多いと思う。当時、それらに出てきた怪獣は全部知ってても実際には見てない話の方が多かったと思う。
そして先日、ほとんど覚えてないような、それでいて見れば確実に素敵なノスタルジーを感じることができると思って、一種の冷やかしのような気持ちでDVDを借りたのだが、再生してそんなぬるい考えが吹き飛んだ。実はこれがかなりおもしろかったのだ。
初代ウルトラマンが製作されたのは1966年。もう30年以上前ということになるので当たり前なのだが、まずセリフがおもしろい。特筆すべきは「ちぇー」だ。こんな言葉を言う人間は現在の日本にはかなり少ないと思うのだが、劇中で星野少年からイデ隊員まで、子供から大人が発する「ちぇー」が最高だ。それに比べて我々現代人が発する「チッ」という舌打ちの醜さと言ったら。これは反省するべきだ。これからはイラついても「ちぇー」と言いたい。教育の現場でも指導してほしいくらいだ。
この科学特捜隊ムラマツ班の3枚目、イデ隊員はかなりいい。第一話でいきなり僕は食らった。謎の宇宙人(ウルトラマン)に命を救われ、それを「彼」と呼ぶハヤタ隊員(この人がウルトラマンと一心同体となるんだよ、平成生まれの君!)に対し、「よせやい!名無しのごんべぇなんてあるもんか」と言う。あぁ古きよき日本語がある。僕は「よせやい!」という言葉は好きなので日常でも使っているが、もし使ったことが無い人がいたらぜひ試してみてほしい。「馬鹿いってんじゃねぇ」「冗談はやめて」等の代わりにいってみてほしい。「よせやい!」
「名無しのごんべぇ」も最近とんと聞かない。僕にとっては母親が使ってた言葉だ。たぶん80年、90年代ぐらいの言葉だったら、「昭和」を味にする芸人のネタにされそうなものだが、60年となるともう一周してなんの悪意や皮肉もなく、おもしろい!と思える 。
科学特捜隊の衣装も最高だ。基地内での青いブレザー、出動時のオレンジの服!全くとち狂ってる。かっこ悪いんだけど、すごくかっこいい。僕はコスプレの趣味はないのだが、正直あのヘルメットをかぶって、オレンジのアレをきてネクタイをしめて生活したいと思った。光線銃と流星型無線機バッジも絶対欲しい。
特撮面に関しても、もう言うことがない。さすがだ。すっかり忘れていたけれど、ウルトラマンと怪獣の戦いは、意外に「格闘」である。4つんばいの怪獣に対して、2足歩行の我らがウルトラマンが、その頭をとって膝蹴りをかまし、鼻先の角を折るというものがあった。4つんばいの怪獣は頭を地面にこすりつけて這いずり回りもがくのだが、これがなかなか生々しい。晩年のゴジラに欠けていたものはこういうものだ。子供は“ラフ”(もこみちじゃないよ)が好きなのだ。日本の「特撮」における伝統、すなわちぬいぐるみの躍動!ロボットアニメのようにびゅんびゅん飛び回る機龍ことメカゴジラ、松岡昌宏とケインコスギのアクション。全く反吐が出る。
このように、15年ぶりぐらいにウルトラマンを見たのだけど、色あせないそのおもしろさには本当に驚いた。これから見ることのできるシリーズが、まだ何本もあるかと思うととても楽しみだ。円谷英二、バンザイ。
余談だが、第2話「侵略者を撃て」で、住む星を失った20億のバルタン星人が地球に移住したいと言ったときに、「地球の人口でさえ22億なのに!」と返すイデ隊員のセリフにはとても関心を抱いた。たった30年で地球の人口は3倍になったということに驚いた。本当か?と思ってこんなページを検索して、確かめてしまったほどだ。義務教育科目の「社会」などで1900年代に入ってから爆発的に増加したことや、「50億!」というカウントも知識としては持っていたはずなのだが、バルタン星人によって「実感」させられるとは情けない。
2007/01/18